ユネスコ世界遺産とは

世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、
過去から現在へと引き継がれたかけがえのない宝物であり、
現在の世界中の人々が未来へ引き継いでいかなければならない人類共通の遺産です。
国際平和のため、人権と基本的自由の尊重を目的として創設されたユネスコは、
人類全体のための自然や文化の遺産を、国際条約に基づく「世界遺産」として一覧表に記載することで、
その保護のための国際的な協力・援助の体制を作るとともに、国家間の相互理解を進めています。

世界遺産としての石見銀山遺跡の価値

世界的に重要な経済・文化交流を生み出した

石見銀山は近代化以前のアジアの代表的な鉱山です。石見銀山では、中国から韓国を経て伝わった銀精錬法(灰吹法)の改良がおこなわれ、16世紀の日本独特な小さい製錬場が数多く作られたことによって、高品位な銀の大量生産を成し遂げました。
この大量の銀が、東洋と西洋の価値の交流をもたらしたのです。

銀の生産活動に関する考古学的な遺跡を
良好に残している

近代化以前の日本の金属生産は、鉱石の採掘から精錬まで、小さな規模で行われました。江戸時代の鎖国によって西洋の産業革命の技術の導入が遅れたことで、その技術は独自に優れた形へと進化しました。明治時代に近代化が図られましたが、大正時代には、石見銀山は休山に至りました。
しかしその結果、地形に大きな改変が加わらず、銀生産に関する遺跡が良好に残されています。

銀の生産から搬出に至る
土地利用の全体像が今も残る。

石見銀山に残る鉱山・銀製錬の遺跡・街道・港湾施設などの銀生産に関わる豊富な痕跡は、現在では再び広く山林に覆われています。
しかし結果として、銀生産に携わった人々の集落を含んだ活動の痕跡が、自然と調和して良好に今に伝わり、現在暮らしている人々の町も含めて、銀生産活動の総体を見事に示しています。

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