永禄3年に創立された浄土宗のお寺。
由緒の深い寺は昭和14年の大火で全焼しました。宮殿にあった青貝づくりの豪華天井も焼けて幻の天井として語り草となっています。16畳の広さがあり、あじろぎ(竹で編んだ下地)に黒漆、青貝の「枝垂桜」、「枝垂れ柳」、「桐」、「鶴亀」、「菊花」などが散りばめられ、研ぎ出し仕上げになっていたそうです。同寺は火災の後安立寺に合併して今日に至っています。
極楽寺のお地蔵さんは1体が高さ55cm、幅40cm、別な一体は高さ90cm、幅40cmあります。小さい方は表面が剥げ落ちていますが、大きい方は錫杖(しゃくじょう)の上がエルサレム形式の十字が刻まれ、左手の宝珠が三位(さんみ)一体を示して3つに割れ、衣のすそには十字の印が無数に刻んであります。これは隠れ切支丹(きりしたん)を表徴する遺物として残されています。
このほかにも勝源寺に1体、大森郷土館に1体、大田市久利町の福昌寺にも一体の隠れ切支丹地蔵があります。