旅の途中に立ち寄った木喰五行が、特殊なノミ跡をしるして刻んだ木彫り仏が安置されている寺として有名。温泉街を北側へ少し上っていく坂道にひっそりとたたずむ。
全国を旅して歩いた木喰五行(もくじきごぎょう)の刻んだ釈迦如来像(高さ87.5cn)が、秘蔵されています。木喰五行は享保3年(1718)山梨県生まれで、広く民衆の間に、仏の振興を広げたいという念願から、安永2年(1773)相州の大山寺を振り出しに、北海道から九州へと旅を重ね、現在わかっただけでも三百数十体もの薬師如来、羅漢、十一面観音などを刻んで残しています。
温泉津へは寛政10年(1798)4月20日に訪れ、温泉に浸ってのこの里の雰囲気が気に入ったのか12日間滞在し、釈迦如来像を残したようです。
木喰とは、五穀(米、麦、きび、あわ、豆など)を絶って、果実だけを食べて修行することです。
温泉街の旅館「山県屋」脇を北側へ少し上っていく坂道にひっそりと佇んでいます。